無料メルマガ「ドイツ語圏文化講座 」について

ドイツ、オーストリア、スイスを中心にドイツ語圏の美術、音楽、料理、
コラムなど盛りだくさんの総合教養誌。
ドイツ語圏ファンの方、ビジネス関連の方、またドイツ語学習者にも
有益な情報満載でお届けします。


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■ ドイツ語圏文化講座 vol.1(創刊号) http://www.polyglot.jp
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皆さんこんにちは。
このたび、ラテン語圏に負けまいと、この講座を発刊することになりました。
一応、ドイツを中心に、オーストリア、スイスの情報を中心に、
しかしあまり変に縄張り意識をもたずに楽しいマガジンを作っていきたいと
思っていますので、忌憚のないご意見などおきかせください。
  では、その創刊号をお送りします。


━━[Inhalt] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. 美術講座                    
2. 料理講座 <ジャガイモのピューレ>        
3. 音楽講座 「レンブラントの時代の音楽」(1)  
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1. 美術講座                     
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古都ウィーンでウクライナの前衛に出会う

 渦巻き状に広がる、オーストリアの観光都市ウィーン。質、量ともに
世界屈指のコレクションを誇る美術史美術館をはじめ、さまざまな
ミュージアムがある。観光客には、美術史美術館とその対となる自然史博物館、
そしてまだ新しい王宮内のシシィミュージアムに、モーツアルトハウスといった
ところが定番人気だろう。限られた滞在時間のなか、ウィーンに来たからには
ウィーンにちなんだものを観たいのは当然である。
 無数の観光名所に事欠かないなかで、BA~CA Kunstforum(クンスト
フォーラム)はずいぶん分が悪い。リング内一区のほぼ中心にあり、シュテファン
寺院からも徒歩数分の好立地にありながら観光客の姿はあまりない。
日本の旅行ガイドブックでも、一行でも紹介していればいいほうで、
存在さえ掲載されていないことが多い。
 BA~CA Kunstforumは、主に近現代美術を扱う美術館。他にも大々的に
近現代美術を扱う館(ミュージアムクォーター)はあるし、そもそもゲンダイ
ビジュツというだけで多くの人は敬遠するところに、しかもインターナショナルを
謳っている。確かにハプスブルクの香り漂う歴史都市ウィーンで、わざわざ
外国の現代アートを観ようという人は、そうそう居ないだろう。訪れるのは
地元の美大生や、小学校の集団見学が多いようだ。
 ところで美術に興味のある人なら、シュプレマティズム(絶対主義)なる
究極的な抽象表現で名を馳せる巨匠、カジミール・マレーヴィチ(1878-1935)を
御存じかと思う。ただカンヴァスに黒い正方形を描いただけの作品で有名な
ロシアの前衛画家だ。徹底したコンセプトは評価するが、さすがに私も愛好や
感動は覚えない作風だった。今回BA~CA Kunstforumで観るまでは。
 白い壁面全部を使ってその小さな一点は架かっていた。せいぜい40cm×
30cm程度の長方形の小品。典型的なマレーヴィチのスタイルで、ただ黒い
ベタ塗りの上に赤い四角形が描かれている。いつもなら通り過ぎる絵だが、
自然に足が止まって動けなくなった。そこ一画だけに3段の階段があり、
いわば床の間のようになっている。左右にはギリシア的なマーブル模様の飾り柱。
そのまん中、ちょうど見上げる高さにある絵は、他で見たマレーヴィチと
明らかに印象が違った。もちろん段を上がって間近で鑑賞して構わないのだが、
それさえもためらわれるような、崇高で神聖なものに見えたのである。
マレーヴィチ作品を聖像(イコン)になぞらえた美術評論家がいたと記憶するが、
確かにすべてを超越した何か神々しいものに思え、神の気配まで感じたのである。
はじめてマレーヴィチの凄さに触れた気がした。
 余談だが、次の部屋では広いスペースの角を使ってサイ・トゥオンブリの抽象画と
モネの『睡蓮』が90度に配されていた。それぞれを独立した作品として単品で集中して
観た後、少し後ろに下がると両方を視野におさめることができる。
一見まったく無関係に見えるふたつの作品に共通する何かが見えてくる、
それは新鮮で至福の美術体験であった。
 作品の本質がよく見えるような見せ方は確かにあって、作品が置かれたい
場所というのもある。この展示法が美術館側の緻密な計算による意図的な
配置なのかどうか知らないが、BA~CA Kunstforumのキュレーションは
「バカ」ではないことだけは確かである。


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2. ドイツ料理講座 (1)  <ジャガイモのピューレ>    
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ドイツ料理といえばジャガイモとソーセージ!
  ばかりではもちろんありませんが、まずはごく手軽に作れる
ジャガイモのピューレからお届けします。
ピューレはこれ自体でのみいただくことはあまりありません
(これだけ食べてももちろんおいしいです!)が、
焼いたお肉などに添えて一緒にいただきます。
トロリとしたピューレをお肉のソースとからめるとおいしさが倍増です。


"ジャガイモのピューレ"

【材料(4人分)】
ジャガイモ 500g(男爵いも)
バター 20g
牛乳 180cc
塩・コショウ・ナツメグ 適宜

【作り方】
1. ジャガイモを鍋に入れ、ジャガイモが隠れるくらいたっぷりの水を入れ
火にかける。
2. 塩少々を加えて沸騰させてから、完全に火が通るまで中火で茹でる。
3. お湯を捨て、皮をむく。
4. ジャガイモを鍋に戻し、マッシャーでつぶす。
そして、バターと熱くした牛乳を入れて混ぜ合わせ、塩・コショウ・
ナツメグで味を調える。

*注意点*
・ジャガイモは水から茹でてください。そうすることで全体に
まんべんなく火が通ります。沸騰したお湯に入れてから茹で始めると、
外側のみが早くやわらかくなり、中に火が通る頃には煮崩れしやすくなります。


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3. 音楽講座 「レンブラントの時代の音楽」(1)    
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1 歴史的背景

1.1 政治的背景

では、まずは、歴史的背景からなんですが、ご存知のように、
レンブラント(1606-1669)の生きていた時代中に、正式には1648年の
ミュンスター講和条約によって、ネーデルラントの北部七州は独立し、
現在のオランダになっていきます。それに対して、南部はスペイン領のまま残り、
現在のベルギーになっていきます。北部が独立していった理由の最も大きなものが
宗教の問題で、北部は、プロテスタントが多かったんですね。スペインは、
フェリペ二世をはじめとして、熱烈なカトリックでした。スペインは、新教徒に
対して厳しく弾圧をしたので、ネーデルラント北部ではスペインに反発する動きが
強くなりました。ネーデルラント南部にはカトリックの信者が多かったため、
反発はそれほど強いものにはならなかったのです。

独立することによって、オランダ(ネーデルラント北部)は、市民中心の
自由な政治に切り替わっていった面があり、ハンザ都市が繁栄し、商業が栄えて、
自由な空気の中で、優秀な画家や詩人が多く輩出されました。その中の一人が
レンブラントであり、ライスダール、コイプである、ということになります。
同時代の詩人にはフォンデル、カッツなどがいます。こういう有名な芸術家が
たくさん出たので、「オランダの黄金時代」などといわれていますが、実は、
その反面、音楽家が生き延びるには、この時代は非常に厳しい側面がありました。
ここにはやはり、宗教の問題が絡んできます。


1.2 宗教的背景

今でも、プロテスタントには数えきれないほどの「宗派」が存在します。
当時は、今以上に、宗派による、教会行事の相違は大きかったようです。
オランダには、いくつかの違った宗派の新教徒たちが共存していました。
その中でも最も信者数が多かったのが、カルヴァン派だったそうです。
よく知られているとおり、宗教改革を最初に、皆によく分かるような形で実行したのは、
ルターでした。カルヴァンは、そのルターの考え方ではまだまだ甘いと考えて、
さらに厳しい教義を打ち立てた人です。

カルヴァンは、もとは法律家だった人です。宗教でも、神の絶対性を固く主張し、
偶像崇拝に徹底的に反対しました。宗教戦争の中で、カルヴァン派によって
破壊された、教会の宗教芸術は、数えきれません。教会内の新教徒の生活は、
それは厳格なものでした。日ごろから、むだなおしゃべりや、多すぎる睡眠、
ぜいたくな食事は禁じられていました。教会での生活だけではなく、普段の生活から、
なるべく質素に堅実にするように、決められていました。それぞれの家庭は、
長老によって視察されて、その指導は、行き届いたものだったといわれています。
「オランダ人は質実剛健」というのは本当のことで、生活に一切のムダがない、
ということでもあります。これは、独立した頃のオランダの、
カルヴァン的宗教生活が現在にも影響を与えているのかもしれません。
(続く)


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