ある国との懸け橋になれる人、はなぜ少ないか?
ある外国が好きで、その国の言葉を勉強していて、その国との架け橋的な仕事をしたい、その仕事で身を立てたい、という人は実に多いのに、意外とそれを実現している人は少ないですね。
語学力がつけば、そういう可能性が広がるは間違い?
そういう人たちは、たいてい、語学力がつけばそういう可能性が広がると思っています。それはちょいと違います。
確かに、圧倒的な語学力があればそれは可能でしょうが、それはプロ野球選手になるのと同じぐらい難しいことで、はっきり言って語学のセンスがない人には不可能です。(断っておきますが、私だって「圧倒的な語学力」はありませんからね。
翻訳に徹すれば、1軍の控え選手ぐらいのところまで来ている言語は2~3ありますが、肝心の根気がもうありません) それから、語学力ゼロでも、ビジネスの能力が「圧倒的に」あれば、やはり上の夢は容易に実現できますよ。
メジャーへ渡った野球の投手を御覧なさい。大リーグのバッターを三振にとれる「スキル(=ビジネス能力)」があれば、通訳代なんて安いものですから。
では、外国語と行き来(住み)ながら身を立てる仕事につくには何が必要なんでしょう。
それはですね、下記5つの能力です。
語学力よりも大切な5つの能力
1)何かしら、他の人にはめったなことでは負けない自信のある専門知識があること
2)その専門知識を商品化できる能力があること(このためには、品質や市場の分析ができないといけません)
3)自分の専門分野の文献を正確に読んで情報を常に早め早めにゲットでき(てい)ること
4)ビジネスにおける誠実さと、よいパートナーをかぎわけられる人間洞察力をもつこと
5)外国語については、実力やセンスがどのようなものであれ、常に向上心を失わず、心を込めてコミュニケーションしようとすること だと、私は思います。スキルという点からは、市場分析力と、特に「商品化」の能力が重要だと思いますね。
言いたいことを正しく伝えることのできる作文力をまず身につけて
語学力の面では、専門分野のやや難しい文献を正確に読める能力、手紙レベルで自分の言いたいことを正しく伝えることのできる作文力、この2つに尽きます。これに比べれば、会話の勉強など、何の役にも立ちませんし、読み書きのできる人なら、現地で3か月間髪振り乱して練習すれば、立派なスピーチレベルで会話はできるようになります。
専門分野がない方はどうすれば良い?
数日前、ある方(モルモットさんという方)から、専門分野がない、という悩みのご相談をいただきました。確かに、困りましたね。今暫定的にまあまあ好きな分野をとことん追及していって、自分のライフワークとなる「何か」と巡り合っていただくのが早道ですかね。 こういう人は、そこそこよい家庭に育ち、ほんわか毒のない青春時代を送って来た方に多いようですね。
人間、やってはいけないと禁止されると、いよいよやりたくなるものですからね。 先週のモルモットさんからもお返事をいただいていますので、次回はそのあたりをもう少し掘り下げてみたいと思います。