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====[contents]============================================= 1. バロック音楽の聴き方 「組曲」について 2. フランスワイン講座 「シャブリと牡蠣」 3. チーズの話 「白カビチーズ」 ==========================================================
========================================================== 1. バロック音楽の聴き方 「組曲」について ========================================================== 様式感のお話(イタリアの協奏曲とフランスの組曲)
バッハの作品の中には、「バイオリン協奏曲」「チェンバロ協奏曲」など「協奏 曲」と名のつく作品と、「管弦楽組曲」とかチェンバロのための「フランス組曲」 「イギリス組曲」など「組曲」と名のつく作品とがあります。今日はこのお話です。
16世紀まで西洋音楽の主流はなんといっても声楽(合唱)でした。もちろん 16世紀までにも楽器はいろいろあったのですが、それらは主に声楽のパート をなぞったり、あるいは即興で演奏されたりして、純粋に楽器のためにつくら れた音楽はあまりありませんでした。それが17世紀、つまりバロック時代に 入ると「器楽のための音楽」が盛んにつくられるようになります。前回お話した かと思いますが、ちょうどこの時代にヴァイオリンという楽器がほぼ完成した のです。
それでもバロック初期(1650年ごろまで)には、若干の例外を除いて、そうし た器楽曲に特定の楽器を作曲者が指定することはありませんでした。特にイ タリアで生まれた器楽のソナタは、ヴァイオリン、コルネット(現代のトランペッ トのような楽器とは違って、角笛のような楽器)、リコーダーで演奏されること が多かったようです。この時代でぬきんでた才能を示している音楽家は、ヴェ ネツィアのモンテヴェルディとローマのフレスコバルディです。特に後者は器 楽のための「カンツォーナ」と呼ばれる作品を(そして鍵盤曲を)たくさん残し ています。
17世紀後半になると、ローマにアルカンジェロ・コレルリというヴァイオリンの 巨匠が現れます。この人はソナタとともに「コンチェルト・グロッソ」(合奏協奏 曲と訳されています)という形式を確立しました。これは大きな弦合奏(といっ ても当時は12,3人、これを「リピエーノ」という)に対して2本のヴァイオリン と1本のチェロがソロ集団(これを「コンチェルティーノ」という)を作って、全合 奏とソロ集団が互いに絡み合いながら「対比」をつくっていく、というタイプの 音楽です。そしてやがて、ボローニャのジュゼッペ・トレルリという人が、コン チェルティーノがヴァイオリン1本という「協奏曲」をこの世紀末に書き、これ が世界最初の「独奏協奏曲」と言われています。
このようにして生まれた「協奏曲」は、やがて18世紀にはドイツのヘンデル やテレマン、フランスのルクレールなどに採り入れられていきます。言い忘 れましたが、協奏曲は現代では「急―緩―急」の3楽章が普通ですが、こ の時代には(教会ソナタのように)最初に「緩やかな楽章」が加わって4楽 章構成もたくさん見られます。
ところで一方フランスという国は、この時代一般的に保守的で、イタリアに 生まれたバロックの新しいものをなかなか採り入れまいとしているかのよ うな印象を受けます。 例えば、通奏低音も17世紀初期にはまだ見られず、ルネッサンス的な合 唱スタイル(ただしこの時代の音楽は地味だがいい!)が残っていました。 ようやく世紀半ばも過ぎてアンリ・デュモン(この音楽家は最近再評価され ています。ぜひ機会があったら聴いてください)が通奏低音をフランスにも たらします。
この国は器楽に関しては、非常にリュートという楽器を好みました。マンド リン型の撥弦楽器ですが音色は繊細で非常に美しい楽器だったのですが、 この楽器のために「組曲」という形式が徐々に確立していきます。そしてゆ っくりゆっくりとリュートはクラヴサン(チェンバロ)にその座を明渡していきま す。やはりフランスで好まれたヴィオラ・ダ・ガンバという楽器においても、 マレ、フォルクレといった巨匠達が「組曲」を書いています。
この組曲は最初舞曲を並べたものでしたが、この時代にはその舞曲も順 番が決まってきて、アルマンド、クーラント、サラバンド、(なにかしら別の マイナーな舞曲)、そして最後はジーグというのが通例です。そして後期 バロックには、冒頭にプレリュードを置くようになっていました。この「組曲」 のことについては別の機会にもう少し詳しくお話しようと思いますが、いろ いろな楽器の「組曲」を聴いていると、人間の知恵というか感性はたいし たもので、「この順番でなければならない」という感じがしてくるのです。
日本料理の出てくる順番、イタリア料理のプリモ、セコンドなどにも通じる ものがあって、私はとても面白いと思っています。最初に「お茶漬け」、最 後に「刺身」を食べておいしいと思いますか。美しい「組曲」を聴くのはゆ っくりとおいしいフランス料理をフルコース食べているような贅沢です。い ずれにせよ、協奏曲はイタリア生まれのイタリア趣味、組曲はフランス的 な様式と覚えておいて一度何か聴き比べてみてください。
========================================================== 2. フランスワイン講座 「シャブリと牡蠣」 ========================================================== ワインとマリアージュ
生牡蠣がおいしい季節になり、牡蠣といろいろなワインのマリアージュを毎 年楽しんでいる方たちのPARTYに参加させていただきました。
まずは、生牡蠣に一番合うといわれているシャブリのお話。
シャブリには4クラスあるのはご存じでしょうか。プティ・シャブリ、シャブリ、 シャブリ・プリミエ・クリュ、シャブリ・グラン・クリュの4種類です。
プティ・シャブリ、シャブリは一般的にさわやかですっきりした味わい。レモン をしぼっていただく生牡蠣にはこちらがぴったり。プリミエやグラン・クリュに なると樽や蜂蜜やバターなど芳醇な味わいで年代ものになると黄金色の とろりとした 味わいのものもあります。これらにはバターやベシャメルを使っ たお料理の方がマリアージュします。上記はどの教科書にも書いてあります。 シャブリの土壌はキメリジャン地層と呼ばれる石灰質の土壌で、その土壌 からくるフリンティな香り(火打ち石の香りともいわれています)がどのクラス にも共通した特徴としてあります。
ブルゴーニュのジョセフ・ドルーアンという大手のドメーヌを訪れた際、シャブ リの地層を説明され、牡蠣の貝殻の化石が沢山含まれているのを見せて いただき、だから牡蠣にあうんだ!、と説明され、妙に納得しました。 初参加の私はそのPARTYにはきっとシャブリは誰かがもっていくだろうと思い、 ベルジュのサンヴェラン(ブルゴーニュ・シャルドネのすっきりした白)を持参 しました。 ところが、持ち寄りで並んでいたのは、アルザスのゲベルツトラミネール(白い 薔薇の香りがするやや甘口のワイン)、モンルイ(ロワール地区のシュナン ブラン種のやや甘口のワイン)、ソーテルヌ(ボルドー地区の貴腐ワインで甘口)、 そして シャンパーニュ、日本酒などでした。 もうシャブリをもってくる人はいないでしょう、と皆様・・・ ?えっ、すみませんと私。 早速甘口ワインと生牡蠣をあわせてみると、これが以外にもとてもよいのでした。 目からうろこでした。
フランスでは、生牡蠣にソーテルヌを合わせることも多いそうです。甘口のワイ ンは、4人位ですともてあましてしまいますが大人数で生牡蠣を楽しむときには、 とてもよいものだと思いました。 炭火で殻焼きにした牡蠣も甘口にとてもあいました。そして、殻のままグラチネ した牡蠣を赤で、そして締めは牡蠣ごはん。 ブラインドで次から次ぎへと赤が出てきて何を飲んでいたのかよくおぼえていない! よく飲んだ、よく飲んだで、結局幸せなひとときでありました。
皆様も是非いろいろお試しになってみることをおすすめします。おいしいマリア ージュがありましたら教えてくださいね。
========================================================== 3. チーズの話 「白カビチーズ」 ========================================================== 白かびチーズ
前回のフレッシュタイプのチーズに続いて、今回は白かびチーズのお話。白 かびタイプは一番お馴染みのチーズでは? チーズの表面に白カビ菌を植えて、熟成させるタイプのチーズ。表面からチ ーズの中央部分にむかって、熟成が進む。白かびタイプのチーズはチーズの 代表選手。一番有名なカマンベールもこのタイプ。 カマンベール…これはなんといってもフランス、ノルマンディ地方で作られた もの。歴史的は200年の歴史がある。脂肪分も多いが、なんと言ってもこの チーズにはしっかりとしたボディのある赤ワインがおすすめ。でも、このチーズ 熟成具合でかなり味の幅が異なるので、好みの熟成を見つけるのも楽しみ。 カマンベール村で作られているもので、マリーアレルさんというおばさんが、 作ったと言われているチーズで、村には彼女の銅像がたっています。そうそう、 ナポレオン3世に献上されてとっても気に入られたとも。
ブリー・ド・モー…これはパリ東部モ-町のあるイルドフランスからシャンパ ーニュ地方にかけて作られているカマンベールのお父さんで、チーズの王様 とも。このチーズは7世紀にはすでに作られていた歴史あるチーズです。 ブリ-にはモー村でつくられたものと、ムラン村のものがあります。直径40cm 厚さ3cmの大きな円盤チーズです。有名なブリオッシュと言うパンはもともとは、 このブリ-を練りこんで作られたパンといわれています。このチーズには軽や かなガメ種を使ったボージョレーがおすすめ。そうそう、『会議は踊る』で有名な ウイーン会議の時に、オーストリアの名宰相メッテルニッヒにブリ-はチーズの 王様といわしめたチーズでもある。 このように、白かびチーズには沢山有名なものがありますが、次回のお楽しみに。
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