会話の学習方法および、各国語検定試験対策

会話の学習方法や、各国語検定試験などの口頭試験に対する対策についてよくご質問がありますので、当校の考え方を説明しておきます。

会話の実力をアップする方法は、基本的に直接教授法となる

本校の通信講座のなかに、直接的にリスニングやスピーキングを鍛錬する通信教育講座はありません。

考えてみれば当然のことと理解していただけると思いますが、この種の実力をアップする方法として、基本的には直接教授による方法しかありません。

話を論理的に分析してみますと、質問してくる方は、おそらく英会話学校とか、ハイレベルな場合は同時通訳者養成コースのようなものをイメージしておられるのではないかと思いますが、いずれも通信教育のようなものはないということは理解していただけると思います。

会話力を高める学習ということで言えば、昔は学校に通ったり、直接対面での個人指導を受けるしかなかったのですが、現在ではこうした指導が遠隔地(オンライン)で直接できるようになってきました。実際、英語の場合は、こうしたサービスをしている学校は既にたくさんあるのではないかと思います。 

しかし、英語以外の外国語ですと(フランス語、中国語ぐらいまでは探せばあるかもしれませんが)、あまりこうした指導をしている学校のことは聞きません。それでも、時間とお金に余裕のある方なら、マイナー言語でもネットで探せばそうした指導をしていらっしゃる日本人及びネイティブの先生はみつかるのではないかと思います(ただ、正直申して、そのような先生のなかに専門的な指導技術を備えている人はかなり少ないと思います)。

個別プログラムを編成して指導

さて、そこで本校及び本校の指導スタッフの先生方の考え方についてお話ししますと、この種の指導プログラムは次のことを前提として個別プログラムを編成して指導する場合にのみお引き受けすることにしています。

1) ある程度のレベルの会話(または通訳)スキルを身につけることを目標にしている

2) 習得を希望しているリスニング、スピーキングの練習に必要な文法力と語彙力が備わっている(実は、会話学習希望者のほとんどの方に、これが備わっていないのです) 

具体的に説明すると、1)の「或る程度」とは、英検の2級以上ぐらいと考えていただければ結構です。 2)の「練習に必要な文法力と語彙力」とは、例えば英検準1級を取得したいと思う方の場合、その筆記試験を(多少時間はかかっても構わないので)辞書なしで90%とれるレベルを言います。10%の減点は(もしあれば)和文英訳に限られることが望まれます。

つまり、文法構造が分析できないところはないこと、語彙(慣用表現なども含めて)は少なくとも90%が知っているものであること、和文英訳でも、冠詞、前置詞、動詞などのミスは仕方がないが、少なくとネイティブが見て言わんとする意味が汲み取れるレベルの英文が書けること、が望まれます。

学習効果が非常に限定されてしまうため、文法構造の理解・語彙力を前提とする必要がある

 こういうと、要求が高すぎると思う方が多いでしょうが、なぜこういう前提を立てるかというと、そうでないと学習効果が非常に限定される(つまり非効率である)からです。つまり、習得の度合いが恐ろしく遅くなるからです。これだと、学習者にとっては時間とお金がものすごく無駄になるし、教える側も(よい先生であればあるほど)モチベーションが下がるのです。

文法力と語彙力の十分なツール(これは理解力、暗記力)がないまま会話学習(これは瞬発力)の練習をしても、苦痛なだけだと思いませんか。知らない構文は思い出せないし、知らない単語はウンウンうなっても出てきません。知らない単語はいくら耳がよくても聞き取れない(=理解できない)ません。

会話を上達したい方は、まずは基本的な文法力・語彙力を身につけてから

ですから、会話を上達なさりたい方は、つねに現時点での読み書きの力のランクが一段下のレベルの学習をすると効果的です。これを英検に例えれば、筆記試験の2級で楽に合格できるレベルの文法力、語彙力をつけてから、3級の会話試験の練習をするのです。すぐにその力がつけられる(しかも楽しく練習しながら)でしょう。

当校のおすすめする学習プロセス

さて、そういうわけで、当校では、(ある程度高度な)会話力をつけたい方のために、次のような学習プロセスをお勧めしています。

1) 最終目標とする会話レベルで使用される「構文」(及びそれを運用するに足る文法力)と「語彙」の力をつける(このため、いったん会話練習は脇において、訳読と作文の練習に集中する)

2) 1) の段階で、音声(発音)の正しい基礎(理論とトレーニング)を学び、平易な慣用表現とつなぎ言葉ぐらいは、先生について習っておいてもよいでしょう。

また同時に 1) の段階で、平易な構文を変形するパタープラクティスの方法を学んでおいてもよいでしょう。

4) またさらに、1) の段階で、語彙を体系的に習得する方法も学んでおいてもよいでしょう。分野別にグループ化するシソーラス的まとめ、造語法の基礎知識など。

5) 一定の読み書き能力を習得したら、集中的に会話練習に入る。この場合、次のような方法を90%は独自に行い、10%程度を先生によるレッスンで修正するのが理想的です。

6) また、事情が許すなら、5) の途中から外国の語学学校に1~3か月でもいけると、飛躍的に会話力がつきます(この場合、現地で日本人と付き合わないこと)。

会話力速習のトレーニング方法

会話力速習に効果的なトレーニング方法を1つお教えします。

   A) まとまった量(30分ぐらい)の会話文を100回ぐらい聞いて、全文暗記に近いほど耳になじませる(これは頻出する表現を半暗記するためもあるが、それ以上に当該言語の典型的イントネーションを耳に植え付けるためでもある)

   A) 音読(ネイティブのクセのない正しい発音のリーディングを聞いて模倣する<定期的に発音の矯正をしてくれる(音声学知識のある)日本人の先生がいことが望ましい)

   B) ディクテーション(これはネイティブの先生の協力がいるが、工夫によっては自分で教材をつくれる)

   C) サブスティチューション(これは、一語だけを差し替える「単純代替」練習と、複数の文要素を差し替える「複合代替」、文法的指示による変形など何種類かある)

   D) 英文>和訳の口頭翻訳演習

   E) 和文>英訳の口頭翻訳演習

   なお、同時通訳学校などではリピーティングやシャドーウィングなどの練習を取り入れていますが、「通訳」型の会話力を高めたい人は、素早い口頭翻訳演習を磨いたほうがよいように思います。


会話力は、文法力、語彙力を前提としている理由をお分かりいただけましたら幸いです。

 

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