ポリグロットの英語教育メソッドの集大成「再チャレンジ英語」

この本は、私の英語教育メソッドの集大成です。「再チャレンジ英語」と名づけたものの、実際には「再チャレンジしたついでに、一気に英語に自信満々になっていただき、ビジネスで自在に利用していただく、あるいはプロに翻訳家、通訳などを目指していただきたいと思っています。

 

大人になってからの英会話習得に時間がかかる理由

 英会話というのは、大人になってから習得しようとすると、大変な時間と労力が要ります。理由を話しだすと長くなりますが、がんばって簡潔に説明しましょう。

外国語を習得するのに必要な能力には、主として(1)音声習得能力、(2)丸暗記能力、(3)構文分析力、(4)社会言語学的能力、があるように思います。(1)と(2)は一般に思春期前の年齢のときに習得能力が高く、思春期を過ぎると(3)と(4)とが備わってきます。(もっとも、最近の大学生などをみるとそうでもないようで、不安です) で、それと反比例するように、(1)、(2)の能力が落ちてきます。これは皆さんもおおむね納得がいかれるのではないでしょうか。

日常会話は実は、一番習得が難しい

 「英会話」というとき、多くの英語教育関係者は「日常会話力」を主として考えるようですが、実は、これは大人の外国語学習者には習得が一番難しい能力なのです。なぜなら日常会話では単語が崩れた発音で発音されたり、俗語が入ってきがちであり、さらには構文も破格になりがちです。(私達が普段どのような日本語を話しているか考えてみればすぐわかるはずです) そして、発音のクセや使用語彙も地域や個人の差が大きいのです。つまり、スタンダードな英語から外れがちなのです。

しかし、ビジネス会話は習得に時間がかからない

それに対し、例えばビジネス会話は(読み書き能力に優れた人なら)習得に時間はかかりません。このようなシチュエーションで話される英語は、構文がきちんとしており、発音も方言丸出しで話すネイティブも(あまり)いません。何より、双方が関心(利害)をもっていることに関して、しかも文脈がはっきりしている状態で、共通の専門語彙を使って話すのですから、わかりやすいのも当然です。

 私はバロック以前の古い音楽が大好きで、外国人演奏家の友達も多いのですが、私にとってもっとも容易な会話は彼らと専門的な音楽の話を交わすときです。逆に、英国で子供や田舎のおじさんが話す言葉がもっともわかりませんでした。会話に関して、結論を言うと、読み書きができればできる人ほど、現地に行ってすぐに話せる(しかも高度な会話を)ようになる、ということであり、最終的には、その人の読み書きの力以上の会話力は身につかないということです。これは、読み書きの能力の低い日本人がどのような会話をしているか観察していれば、自明の理だと思うのですが、英語教育関係者の多くはなぜそのことに気づかないのでしょうか。

短期間で習得可能なのは、翻訳術・作文術である

 このように、英会話習得には多大な時間がかかるのに対して、翻訳術、作文術は、よいメソッドでよい先生について学び直せば短期間で習得が可能です。もちろん、作文といっても教養あるネイティブが書くような文章を書けるようになるには、血の滲むような努力が求められます。しかし、ともかくも文法的に大きなミスなく、誤解がおきないように意思疎通するための作文力は、メソッドによって非常に短期間に習得することができます。これは、このような語学運用能力が、瞬発力を身につけるのではなく、じっくり思考する能力にありさえすれば可能であるからです。

読み書きが出来る人がいない

 私はこのようにいうと、「会話は苦手だが、英文を読むのはできる」という方が多いのですが、(私はまがりなりにも翻訳会社を20年以上経営してきて、翻訳講座の添削、作文の添削を何百人を見てきた)私のこれまでの経験から言うと、本当に読み書きができるといえる人には滅多に出会いませんでした。

また、翻訳者登録の応募者のトライアル評価を総合すると、フランス語やドイツ語など、第2外国語の応募者に比べて、英語翻訳志望者の合格率がかなり低い、という事実があります。これはどういうことでしょう。

私は、英語以外の(欧州)言語が、格や活用などが複雑なため(従って、文の分析をきちんとしないと解釈できないため)だと信じています。ドイツ語などは理詰めに読んでいったら、文構造の解釈に関しては誤訳の可能性が生まれないほどです。

多くの人が気づいていない事実

 よく、日本はアジアでTOEFLの平均スコアから2番目と言われていますが、多くの人は次の事実に気づいていません。
 

1)スコアの分野別成績を見ると、会話はむしろそこそこ善戦しており、日本人の総合成績の足を引っ張っているのは「読み書き」の分野である。

2)その「読み書き」の点数は、80年代まではそれほど悪くなかった。90年代以降落込んでいる。つまり、原因は、ズバリ、学校での英語教育の失敗と、それに影響された(あるいはその反動として会話にあこがれた)学習者の「英会話偏重」の学習法です。

日本の学校教育の失敗

学校教育の失敗は、2つの面があります。

1)日本語も含めて、言葉の構造を教えないまま、つまらない子供レベルの会話を教えようとする指導要綱。(また、90年代以降の英語教師は、それまで自身が受けてきた教育のせいで、そういう授業しかできなくなっている)

2)それでも、大学受験などのため、高校になると「文法」を教えるようになるが、それが多くの点で欠陥があり(渡部昇一教授の「英文法を知っていますか」参照)、そのため「読み書き」ができるようになっていない。

ポリグロットでは、憂うべき事態を解決すべく、教材を制作

ポリグロットでは、愚直なまでに、この考えをとことん貫いた教材を制作することを決意しました。

 この教材は、1)の面をよく考慮し、2)の「文法」を考え直す、という趣旨で編まれました。ただし、「文法」という言葉を勘違いしないでください。

筆者のいう「文法」とは、「意味の通じる文を書くために必要な知識の総体」のことです。私に言わせれば、現在の学校英語では文法の名に値する知識を学生に教えていません。そして、教師の多くもそれに気づいていないように思います。(それは、彼らが作っている参考書を見ればわかります)

 

どうしたら、英語が自分で言える(書ける)ようになるのか、その方法論を示す本でなければ意味がない

 昨今は本屋さんに行くと、英語の本だけで棚がひとつ占領されてしまうほど、英語の本が出ています。筆者は生徒さんに「どの英語の本がよいでしょう」と質問されると途方にくれてしまいます。

ただひとつ、言えることがあります。
 「どうしたら、英語が自分で言える(書ける)ようになれるのか、その方法論についてソリューション(ノウハウ)を示していない本は存在事由がない」ということです。

 その意味では、ほとんどの英語の本は、ただ例文と訳があり、それを「覚える」以外にすることがない、というタイプのものではないでしょうか。外国語学習は断じて「暗記」だけではありません。「暗記」はいわば血であり肉です。それらを支える文法なくしては完全な形にはならないのです。

 <再チャレンジ英語大講座・本の特徴>

 1)この教材は、ハイレベルな翻訳技術やビジネス語学力をつけるための土台となる「英語力」と「日本語表現能力」をつけることを目的としたものです。

 2)文の分析を徹底的に行なう習慣を身につけます。また、品詞の意義と機能についてこだわって考察します。

 3)コロケーション(連語)についての学習法を徹底的に身につけます。

 4)学校文法の説明の仕方が非論理的または不適切だと思われる部分については、筆者の考えを大胆に導入します。

 5)日本語文法は、英文法と対照させると説明困難な部分が出てくるので、これについて徹底的に考察し、両言語の背景にある「表現形式の違い」について観察する能力を養います。

 6)形態論、統辞論、意味論研究の成果を取り入れ、科学的に言葉を分析する能力を養います。

 具体的には

 1)1巻の再チャレンジ英語(中学英語レベルの部分には実は非常に重要な事項が含まれており、それが理論的に教えられていないため、日本人の英語学習者はいつまでたっても土台がない状態で学習している。この土台とは何か、それを固めるためのガイドラインを明らかにする。私は、実際の中学の英語の教科書に含まれるすべての文型を取り出して体系的に整理しました。これらの文章を実例に上げ、「この文を勉強したときに、こういうことを教わらなかったでしょう」という視点で、その背景にある言語現象をひとつひとつクリアにしていきます。冠詞の運用が正しくできない人、名詞句を自在に構成できない人、すぐに構文が思い浮かばない人、はぜひこの巻を読んでください。

 2)2巻では、高校受験レベルのすべての文型の英文をすらすら書けるための作文演習を通して、何を習っていなかったから書けなかったのか、確認していただきます。英文が書ける人は、後はその英文を瞬時に口頭に出るようにする訓練をすれば、理論上話せるようになるわけですね。

 3)3巻では、2)の続きをしながら、語彙を体系的に早く覚える方法、語感を磨き正しく使い分ける方法を学び、英語のという言語の特殊性とその背景に潜む特異な文法理論について解説します。

 4)4~5巻ではビジネスドキュメントにも対応できるレベルの、少し複雑な文章で、日本語と構造が異なる文(特に、物主構文)を取り上げ、分析>正確な直訳>意訳、への演習を行ないます。この段階では、文型をさらに複雑に分析する方法を学び、契約書、文学作品なども正確に読み取れる方法論を学びます。

 5)5巻では、訳語の選定に困るような語をどのように処理するか、実例を示し、ソリューションの方法を伝授し、その点に絞った演習を行ない、コミュニカティブ・アプローチの諸問題を理解し、文体論(スピーチ・レベル)に関する問題解決能力を養う。

 6)6巻では、和訳、英訳の実践翻訳スキルをあますところなく学びます。

                ポリグロット外国語研究所 猪浦道夫


<21世紀型 再チャレンジ英語大講座 Let's re-english!>     

タイトル
副題
内容
定価
ISBN
1巻
基礎構文分析法 短文を徹底分析し、自在に英語を組み立てられるようにする
3,000
978-4-904913-00-0
2巻
学校で教わらない文法 200問の基礎作文を通して、冠詞の扱いなど作文術を磨く
3,000
978-4-904913-01-7
3巻
語彙の体系的習得 膨大な英語の語彙にどう対処すべきかのノウハウなど
3,000
978-4-904913-02-4
4巻
応用構文分析法 5つの文型をさらに詳しく分析し、複雑な文を書けるようにする
3,000
978-4-904913-03-1
5巻
文化の格闘 いわゆる「意訳」の背景にある論理の比較など
3,000
978-4-904913-04-8
6巻
プロへの道 和訳、英訳を実際に私がするときにプロセスをお見せします
3,000
978-4-904913-05-5

 定価:  全6巻  各 3,000円   一括購入 15,000円 (配送料無料)

 版形:  A4   頁数 48頁(6巻のみ44頁)   送料

1 / 3
1 / 3

お問い合わせ

▼お問い合わせのきっかけを教えてください。

Google検索  Yahoo検索  メルマガ  他のサイト  ブログ  Facebook Twitter 知人の紹介  以前からのお客様  その他 

▼語学学習の目的を教えてください。

留学  駐在  移住  趣味 キャリアアップ(ビジネス)  キャリアアップ(翻訳者)  その他