英語をものにしたい人は、学習の際、どのようなことに気をつけるべきでしょうか?英語の言語としての特徴をもとに考えてみましょう。
また、この記事をお読みいただくことで、いかに英語という言語が難しく、特殊なのかがお分かり頂けると思います。
英語は語彙が非常に多いこと
独和の大辞典は16万語、仏和大辞典の見出し語は12万語なのに、ランダムハウスの見出し語は34.5万語に及びます。これは、英語が(乱暴な言い方をすれば)独仏両言語の語彙を吸収しているからに他なりません。このため類義語が多くなります。
類義語が多くなれば、作文するときに語彙の選択が一層複雑で難しくなります。当然、ボキャブラリーを増やすのにも他の言語よりも2倍近い労力を要することになります。
英語は日本人にとって発音が難しいこと
私見ですが、アラビア語やエスキモー語のような特殊な言語、声調が複雑なタイ語や広東語などを別にすれば、英語はデンマーク語と並んで、欧州系言語では日本人にとってもっとも相性の悪い、発音(聞き取りも含めて)の難しい言語だと思います。例えば、イタ
リア語やスペイン語では知っている単語はほぼ聞き取れるの対して、英語ではしばしば簡単なことも聞き取れません。
こうした問題をクリアするためには、ネイティブの真似をして発音を改善しようとするのではなく、正式の音声学を学ぶことを強くお勧めします。ネイティブの発音は必ずその人のクセがあるものです。アナウンサーや俳優の経験のあるひとに習うのでなければ、あまりお勧めできません。
発音というものは、自分が正しい発音をしていると聞き取りやすいものです。通訳など音声言語を切り札にするつもりの人は、スタンダードな発音を科学的に学ぶべきです。
英語は文構造が分かりにくいこと
英語は中世期に格変化や動詞の活用語尾の大半を失ってしまいました。そのため、文の要素(主語とか目的語とか)や品詞の特定がしにくくなってしまいました。ロシア語やドイツ語では語形変化を正しく分析できてさえいれば、読み違いようがないのですが、英語では下手をすると2通りの解釈が可能なことすらあるのです。かつて Time flies like an arrow が「時の蝿は矢が好きだ」と訳されたのは有名な話です。
このため、ほとんどの学習者が「フィーリング読み」、「ヤマ勘読み」をしてしまっています。これが、他の言語の学習者に比べて「翻訳者が育つ確率が低い」という現象を生み出しています。英語の翻訳を志す人、作文力をしっかりつけたい人は「文の分析方法」をしっかり身に付ける必要があります。それがひいては「英語らしい英語」がどのような発想に基づくのか自分で観察できる能力を養う基礎にもなるのです。
英語は世界中で使われているためヴァリアント(変種)が多い
英語は世界の言語と言われ、英米、カナダを始め、オーストラリアやインドのほか、準公用語としてアフリカやアジアの国々に広く使用されています。そのため、その分だけ多様な変種が存在します。
それゆえ、英語をビジネスで使用したり、語学プロとして運用する人は、何よりも「標準英語」(ある意味でそれはどこのネイティブも使っていない英語なのです)を勉強する必要があります。
日本語化している外来語が多い
言うまでもなく、現在ではマスコミや学問、スポーツなどの分野で数え切れないほどの英語が日本語として入っています。このことが単語を覚えやすくしている面もあるのですが、逆に微妙にニュアンスの違いを我々に与え、コミュニケーションを阻害している面もあるのです。語学プロを目指す人はこのような面にもよく注意しなければなりません。
英語は英語のみを学習しても埒が明かない面が多く、多言語を学習することで理解できる言語です。是非当校で英語のみならず、様々な 言語を学習頂ければと思います。