【趣旨】
この新講座は、理系分野の研究、ビジネスの場でばりばり英語を使えるようにするためのプログラムです。長年英語に取組んでいるができるようになった気がしないという方は、その大半が学習法を間違っているのです。
具体的に言うと、巷の学校や英会話教師の言葉に惑わされて、基礎力がないのに外人講師相手に会話の練習ばかりしていたり、辞書を使わずに大意を読み取る練習とか、そんなことばかりしていませんか。
「基礎力」とは何かというと、ごく普通の(しかし「正式な」)英文を自信もって書けることです。どうです? 自信ありますか。カタコトでブロークンな会話はビジネス・シチュエーションでは役に立ちません。
また、精度が肝心の学究論文や著者の読解は「だいたいの大意」がわかればよいのでしょうか。 また、そのようなレベルで満足していれば、英語で論文、レポートを書くなど、夢のまた夢です。
でも、人生そんなにのんびり勉強してもいられません。
そういう方にとって必須の学習法は「作文(和文英訳)」の基礎を固めることです。
理系の方々は、英語を組み立てる練習をすることで英作文ができるように
きちんとした英語が書ける人は、少しの練習で「話す」こともできます。「聞き取り」も後は語彙力の勝負です。が、理系の方々は自前の分野の英単語は既にかなり知っているはずです。ただ、それを組み立てる(=和文英訳力)ための練習が不足しているのです。自分で英語が書けない人は、訳読でも必ずポカ(誤訳)します。それは、フィーリングで理解しようとしているからです。正確に読めていないと、研究分野ならば人の命にかかわることすらありえますし、ビジネスにおいては大損を被るというリスクがあります。
一生に何度も行かないような外国でなんとか旅行をするならカタコト会話でよいかもしれませんが、まがりなりにもお金がからんだビジネスの場で情報が不正確でいいわけがありません。こうしたリスクを避ける学習法はただひとつ、きちんとルールに従って英語を組み立て、日本語との比較をしながらそのロジックの違いを理解していく方法です。その方法を、実践演習を通してしっかり会得していただこうというのがこのプログラムなのです。
【受講をお奨めする方】
・理工系の英語に習熟したい方(特に基礎をきっちり学び直したい方)
・理工系または広く実務翻訳界で翻訳家として一本立ちしたい方
・理工系の大学、研究機関などで、高度な英語力を必要している方
・理工系のレポートや論文を英語で書けるようにしたい方
・理工系の英会話力をアップさせたい方にも、間接的に大きなメリットあり
・その他、比較的初級レベルの方からプロはだしの方にも、文法セオリーを深く理解し、さらなるブラッシュアップにつなげたい方など、広くお奨めします。
【講座の特徴】
中学英語から大学英語にいたる範囲から厳選した課題にチャレンジし、受講者のウィークポイントをすべて洗い出し、そのセオリーを理解し、構文や語法を使いこなせるように演習します。(サンプルは下記をご覧ください)
実に、24回という回数の徹底演習指導が本コースの特徴です。
【構成】
・英作文の基礎講座(約70ページ)
・24ユニット(文法講座+課題10問)課題編 (受講時に送付)
・24ユニットの訳例と解説(語彙増強コラムつき) (添削変奏時に送付)
各課10題の作文を通して、基本文型を総ざらいします。ポイントについてはかなり詳しく説明をつけて、添削答案返信の際一緒にお送りします。
・また、特に当該受講者の弱点も思われる文法項目に関しては、猪浦先生直筆の補習資料、補習ドリルを贈呈します。
・多くの方が苦労している冠詞を克服するため、希望者には、猪浦先生による「英語冠詞講座」(PDF版)を贈呈します。
<文法コラムの内容一覧表> 1~24課
冠詞(総論) 名詞句(前置修飾語) 冠詞(特定化のパターン)
there is 構文の本質 one の研究 度量衡構文の本質 受動的自動詞
would の本質 should の本質 比較の範囲の副詞句のロジック
冠詞(総称表現) 付帯状況表現 身体部位名詞と所有格
コロケーション 受動表現 第5文型研究 コプラ動詞の本質
形容詞的用法の to不定詞 動名詞構文 類義語の選択スキル
使役動詞構文 語源を知るメリット 仮定法の本質
<語彙増強・深堀りコラム「ちゃんと説明できますか」で取り上げている語>
idling, nitroglycerin(e), battery, coach, aqualung, naphthalene, tablet, muffler, rivet, matrix,
diagram, tetrapod, reversible, hybrid, asbestos, shock absorber, emboss, Hovercraft, deodorant, DNA,
stereo, time-lag, adrenalin(e), pacemaker, pulse, neon, device, access, tension, cellophane
textile, control, stainless, patent, print, hub, wheel, shift key, archive, bacteria
accelerator, asphalt, projector, test, grease, wide-angle, thalidomide, hysteria, engine, revolver
nanotechnology, security, renewal, weight, steroid, chicane, period, navigator
【受講方法】
テキスト・課題をメールによりデータ送付。添削答案はメール添削返送または手書き添削を郵送。変則的な方法もご相談に応じます。ご相談ください。
料金はこちらをご覧ください。
https://polyglot.jp/blogs/special-course-re-english
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<テキストサンプル1>
UNIT11の文法学習コラムの一部
比較の範囲の副詞句
最初に次の日本語を英語で表現してみてください。
1)私のクラスではボブが一番背が高い。
2)4人のうちでボブが一番背が高い。
3)鉄は金属のなかで一番有用だ。
4)彼らのなかではボブが一番背が高い。
5)彼ら全員のなかではボブが一番背が高い。
今回の出題内容は、なんと中1英語に属するはずなのですが、実際、作文を指導していて、その正答率は実に1割程度という「落とし穴」なのですね。(私自身も、大むかし、フワフワっといい加減に書いていました)
まず、期待されている答をご紹介しましょう。
1) Bob is the tallest in my class.
2) Bob is the tallest of the four (boys).
3) Iron is the most useful of all (the) metals.
4) Bob is the tallest of them.
of them は among them も可
5) Bob is the tallest of them all.
または … tallest of all of them.
さあどうですか。マグレではなくて、意識的にきっちり使い分けられましたか。なぜか、教科書や参考書でこの問題をテーマとして扱ってくれているものが本当に少ないのですよ。実は、in と of とを意識的に使い分けなければならないのは英語だけで、フランス語などでは、すべて de という前置詞一つで間に合うのです。
そこで、結論です。以下が私なりに発見した法則です。
1.比較の範囲が、クラス、チーム、団体などの単一の名詞で表わされるときは in を使う。名詞は当然単数形。
2.比較の対象が複数の要素そのものの名詞であるときは of を使う。名詞は当然複数形。
3.後者のケースで、比較対象が全集合でないときはamong による表現も可。
4.以上すべてのケースで、比較対象を示す名詞は聞き手に特定化されているものでなければ比較しようがないので、必ず「定概念の名詞」が来る。
5.「定概念」の名詞とは次のように定義される。
A)定冠詞つきの名詞(in the team, of the four girls)
B)指示代名詞つきの名詞(in this team, of those girls)
C)名詞、代名詞の所有格がついた名詞(in his team,
of Peter’s friends)
D)固有名詞(in France)
E)全集合的意味の表現(of all, of all of you, of us all)
以上のことを覚えておけばきちんと表現できるでしょう。やってみてください。
プログラムの料金はこちらをご覧ください。
https://polyglot.jp/blogs/special-course-re-english
<課題の解説のサンプル> 解答の訳例は省略
<解説サンプル1>
この問題のポイントは on my way home の語法の部分です。この語法は、学校の教科書では “on the way to” という形で熟語のように教えられています。そのため、この「熟語」を丸暗記している学習者はつい *on the way to home と書いてしまうのです。
この語法はいきなり丸暗記するのではなく、本来「~への道の上で」と読んでおくべきで、その意味では “on the way + 行先の副詞(句)” と覚えておくほうがよいのです。すると home はここでは名詞ではなく副詞ですので to がいらないことがわかります。同様に、here, downtown なども副詞ですので、これらと結びつくときには on the way here, on the way downtown となることがわかります。
もう一つ問題は、定冠詞の the のところは実際には代名詞所有格が入ることの方が多いのです。そこでこの場合は on my way home とする方がより英語的だといえます。結局、この語法は覚えるときには “on the(one’s) way + 副詞(句)” と公式化するのがベストだといえるのです。
動詞 check は現在完了にしても構いませんが、そうすると、check した事実より、それによって生じている何かしら現在の状況を相手に伝えたい響きになることを知っておいてください。
<解説サンプル2>
like という動詞は、to 不定詞と、この場合のように、動名詞と、両方を従えることができますが、厳密には多少ニュアンスが異なります。動名詞を使ったほうが一般的な表現で、to 不定詞を取った場合は、或る時、所に結びついた行為について使います。例えば、He likes to play chess every evening. とか My father likes to send me to the station. など、観察してみてください。
また be fond of … ing に関してですが、受験英語では be fond of と丸暗記させられますが、言語構造上はあくまで be + 形容詞 fond という構造で、その上で形容詞 fond が前置詞 of を要求して形容詞の補足語を導いていると分析できることが必要です。つまり、full が of を要求し、famous が for を要求し、 ready が for や with を要求するのと同様です。 fond は「~が気に入って、~を好んで」という意味の形容詞です。of の後は名詞または名詞相当句(従って、動詞のときは動名詞にする)が来ます。
<解説サンプル3>
重要な助動詞相当句 have to inf. の過去形です。must という動詞は「過去現在動詞」といって、実は古くは過去形でした。そのため当然過去形がないため「~ねばならなかった」という意味を表現できません。また、既に述べたようにそもそもゲルマン諸語には未来形はなかったため「~しなければならないだろう」という未来もあらわす形式もありません。それらを表すために had to inf.、will have to inf. というふうに have to inf. の時制を変化させてこの意味を出します。
ところで「過去現在動詞」といってもピンとこないでしょう。すでに出てきた should という助動詞を思い浮かべてみて下さい。皆さんはこの動詞が shall の過去形であると習ったとおもいます。一方、英会話などしていて、この助動詞がもはや「~すべきだ」という意味の「独立した現在形の助動詞のひとつ」として感じていませんか。事実、そう言っていいと思います。must もかつて似たような現象が起こって、もとの現在形が使われなくなってしまって「過去形の must」だけが残ったのです。
このような動詞はもともと過去形だったため、それ以上過去形がありませんから、この後につづく不定詞を「完了不定詞」にして、「新たな過去形」を創造したのです。こうして should be の過去形が should have been であるように、「~に違いない」という意味の must be の過去形は must have been という形で表すようになったわけです。「~かもしれない」の might be の過去形が might have been と表されるのも同じプロセスによるものなのです。
「要望に合わせる」は gear という動詞を使ってみました。この動詞には「~を合うように適合させる」という意味があります。もちろん「その方向にギアを入れる」という比喩ですね。方向を表わす前置詞は to でよいのですが、ここでは強調して toward を使ってみました。
「要望」というところに needs を使う方がいると予想されます。この単語は本来「生活に必需の、困窮」といった意味の語ですので、日本人ビジネスマンが使っている「ニーズ」という言葉とはずれがあります。ここでは request の方が適切です。