ポリグロットになるための語学学習方法: 固有名詞にこだわろう ~語彙の増やし方〜(地名編)

ポリグロットになるための語学学習について、コラム形式で連載をしていきます。

前回の記事では、人名についてご紹介したので、今回は地名を扱ってみましょう。

英語の地名眺めて、接尾辞の勉強をしよう

英語の地名です。イギリスの地図を持っていたら広げてみてください。
10分ぐらいにらめっこしていると、いくつかの共通した語尾の町の名前に気づくはずです。

覚えておいた方が良い、英語の接尾辞はこちらです。

 1)-ham: 一番有名なのは大都市 Birmingham、宮殿の名前 になっている Buckingham、そのほか保養地として有名な Cheltenham、ロビンフッドの物語に出てくる Nottingham Durham など、たくさんあります。この -ham homeと同じ語 源の言葉で、「村」のことです。これにフランス語起源の縮小 辞 -letをつけるとhamletという語になります。してみると、あの Shakespeare Hamletという名は日本ならさしずめ「小村の 皇子」でしょうか。因みにドイツ語では「小さな村」のことを Heim といい、Mannheim を中心として、南ドイツには -heim という名の地名が無数にあります。

 2)-ton: これもたくさんあります。もとはtownで、昔は「垣根(城壁)のある町」のことを言いました。BostonWashington はアメリカの有名な大都市ですが、英国でも有名な保養地 Brighton をはじめ、HuntingtonNorthamptonSouthampton などいくらでもあります。最後のものは South + ham + to(w)np は 音声的な理由で入った)ですので、「南村町」ですね。

 3)-byton がアングロサクソン語なのに対し、by は北欧語(今 でもデンマーク語など)で「町」を意味します。というわけで、-byとつく町はバイキングが勢力を張っていなかった南部イ ングランドにはほとんど見られません。特に有名なのは Rugby Derbyで、それぞれラグビー、競馬の発祥の地として有名です。 他にも GrimsbyWhitby などいくつも見つかります。因みに bylaw という言葉は「付則」という意味であることから、by- が 「副次的な」を意味する接頭辞だと間違う人がいますが、これは昔これらのバイキングが造った町の中でのみ通用した規則、ということなのです。

 4) -chester/-cester/-caster: この接尾辞はラテン語の castrum に由来します。つまり、ローマ属領だった時代にローマ人が建設した「要塞町」を意味します。そのものズバリで Cester という町があるほか、大都市 Manchesterをはじめ、Doncaster LancasterWinchesterLeicester(レスターと発音)、 Worcester(ウースターと発音)など、枚挙に暇がありません。

 5)-fordFord は「川の浅瀬(=渡し場)」を意味します。ドイツ語では Frankfurt Furt です。従って Oxford は「牛瀬」 というわけですね。シェイクスピアの生地は Stratford-uponAvon ですが、upon は川や湖のほとりを表す言葉で、Avon 川のほとりのStrat の浅瀬というわけです。因みに Strat- はラテン語の stratum(舗装した道)に由来し、英語の street のことです。米国では「浅瀬大統領」や「浅瀬自動車」が有名ですね。

他にも地名で良く出てくる英語の接尾辞はこちらです。

 -mouth: 川の河口を意味します。条約で有名な Portsmouth は「港口」ということです。

 -burg/-bury: 城壁で囲まれた町を意味し、Canterbury が一 番有名でしょうか。スコットランド語では borough の綴りになります。

 -shire: 英国の県のことです。Yorkshire が有名です。

その町が何で有名なのかも併せて学ぶこと

さて、もうひとつ大事なことは、上に出てきた町の名前がどこかで聞いたことがある、という感覚です。そういう場合は、必ず辞書でその町が何で有名なのかを調べてみましょう。こうした雑学は 語学学習の上で大変重要です。例としていくつか、私が思い浮かぶものをご紹介しておきましょう。

 バッキンガム(宮殿)、ボストン(バッグ)、ダーラム(大学)、ハンチントン(帽)、ダービー(競馬)、ウィンチェスター(銃)、レスター(スクウェア)、ウースター(ソース)、オックスフォード(大学)、ポーツマス (条約)、カンタベリー(物語、大聖堂)、ヨークシャー(テリア)など。

 

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