近年のAI翻訳は驚くべきスピードでクオリティが高まってきていますが、それでも文献の種類によっては、優れた翻訳家の校閲を通さないと大事故になりかねません(特に、法律、金融、医薬分野)。また、意外と(しかし当然のことながら)ビジネス文書や理系の論文のような文章より、個人的な文書や口語体の表現のほうがミスが出やすいことが明らかになっています。本講座は、ネットの翻訳支援アプリ等の問題点を言語学的に分析し、誤訳を見破り、訳文を改良するスキルと学び、実演習します。
【受講をお勧めする方】
・仕事で機械翻訳を利用して翻訳作業をされている方
・翻訳家を目指している方(機械翻訳に頼らずに翻訳能力を身につけたい方)
・英検準1級、1級合格を目指している方 など
【講座内容】
12課 (3~6か月)講座テキストは別表の内容からなります。本校で翻訳講座の添削指導を担当してきた言語学及び実務翻訳のエキスパートの先生方が編集したテキスト内容で、通常の英語教材とはまったく異なる視点から分析した内容になっています。機械翻訳が誤訳する可能性のある文や語法、語彙について、その理由も含めて分析します。
最初に各課の学習内容を精読して、セオリーをよく確認し、理解してください。そのうえで演習課題に取り組みます。
課題(1)は、語学的レベルで、翻訳者がよく取り違える文型や語法などを集めたもので、このレベルでの誤訳を徹底的に予防するためのものです(全120文)。
課題(2)は、単純な直訳では英語にならない文章を、発想転換して作文する練習です(全60文)。
課題(3)も日本語を英語にするとき、日本人学習者がよく間違える語法などの誤りを見破る問題です(120例)
課題(4)は、各分野のまとまった英文を機械翻訳にかけた和訳文を最終稿に校閲する演習です(unit 1-3,7-9)。Unit 4-6, 10-12 は、日本語文を機械翻訳にかけた英訳文を最終稿に校閲する演習です。
答案は担当講師による添削と訳例と解説テキストをつけて返送します。
【教材構成】
1. 教科書(unit 1 – 12)
2. 英文和訳(トリッキーな文) 10題x 12 = 120題
3. 和文英訳(発想転換を求められる文) 5題 x 12 = 60題
4. 誤文訂正問題 10題 x 12 = 120題
5. 機械翻訳文(英文和訳)の校閲 1題 x 6 = 6題
6. 機械翻訳文(和文英訳)の校閲 1題 x 6 = 6題
<カリキュラム>
UNIT 1 翻訳作業のプロセス
1.1. 分析作業と訳出作業のプロセス
1.2. 専門的な用語または文体の選択
1.2.1. 得意分野の文の翻訳プロセス例
1.2.2. 普通の文の翻訳プロセス例
1.2.3. 不得意分野の文の翻訳プロセス例
1.3. 結論 ~専門分野をもつ人は強い
UNIT 2 誤訳が起こりやすい文法セオリー
2.1. 句動詞と副詞の取り違え
2.2. 前置詞の省略(13のケース)
2.3. 倒置(5つのケース)
2.4. 分割統辞(4つのケース)
2.5. 関係節内の挿入節
2.6. 破格の統辞
UNIT 3 訳文練り上げスキル
3.1. 訳し下しのスキル
3.1,1. 長い同格名詞
3.1.2. 従属文
3.1.3. 関係節
3.1.4. 分詞構文
3.1.5. 長い副詞句
3.2. 修飾語の範囲を明確に
3.3. 冠詞の意味を明示する必要のある表現
3.4. 絶対最上級、絶対比較級の処置
3.5. 場所の副詞句の並列
3.6. 重量感を比例させる
3.7. スピーチレベルの選択と統一
UNIT 4 和文英訳の翻訳作業のプロセス
4.1. 文型を考える(おおよその統辞も決める)
4.1.1. 逐次訳できる文型
4.1.2. 日英で構造が異なる文型
4.1.3. 構造を変える必要のある文型
4.2. 何を主語にするか決める
4.2.1. there is 構文(初出情報導入構文)
4.2.2. 形式主語 it を用いる構文
4.2.3. 否定語が主語の構文
4.2.4. 無生物主語構文
4.3. 英文的発想の「不自然な日本語文」を考える
4.3.1. 英語は他動詞構文を好む
4.3.2. 日本語は主語がないことがる
UNIT 5 和文英訳スキル(1) 動詞と名詞句の形態
5.1. 動詞の形態を決める(時制、相、態など)
5.2. 時制の一致の例外
5.3. 名詞句の形態を決める
(名詞の選択、数、冠詞、形容詞など)
5.4. 形容詞の後置
UNIT 6 和文英訳スキル(2) その他の文要素
6.1. 格関係と文法的連語の確認
6.2. 文法上の齟齬がないか確認する
6.3. 英語の論理では必要な語を補う
6.4. 書き手の意図によって表現が左右されるケース
6.5. 文体的配慮、語用論、スピーチレベル面での考察
UNIT 7 自動翻訳の誤訳摘発(統辞レベル)
7.1. 複雑な文章におけるフリーズ
7.2. 訳抜け
7.3. 文解析のミス
7.4. 因果関係、時系列の分析ミス
7.5. 時制、冠詞の意味の訳出不足または誤解釈
7.6. 修飾語句の範囲の不明瞭な訳
UNIT 8 自動翻訳の誤訳摘発(意味論レベル)
8.1. 意味解析のミス
8.2. コノテーションの理解不足
8.3. 省略文、会話語法、慣用語法
8.4. 会話語法
8.5. 慣用語法(諺など)
UNIT 9 自動翻訳の誤訳摘発(語彙レベル)
9.1. 専門用語、業界の文体
9.2. 外国語の誤訳、表記ミス
9.3. 重訳から来る誤訳
9.4. 適切な文体を選ぶ
UNIT 10 自動翻訳の誤訳摘発(英訳・文法レベル)
10.1. 文解析のミスによる誤訳
10.2. 冠詞の吟味不足による誤用
10.3. 時制の吟味不足による誤用
10.4. 前置詞の吟味不足による誤用
UNIT 11 自動翻訳の誤訳摘発(英訳・語彙レベル)
11.1. 日本語(漢字・カタカナ語)読み違い
11.2. 日・英の語彙で意味的領域が異なる場合
11.3. 日本語語彙の意味の取違い
11.4. 比喩の意味の取違い、または意味不明の意訳
11.5. 古語、諺などの意味の取違い、意味不明の意訳
UNIT 12 自動翻訳文の校閲
12.1. 統辞の修正(語順の改善)
12.2. テニヲハ修正
12.3. スピーチレベルの修正
12.4. 句読点の使い方習性
12.5. 原文の風味を損う端折り訳
12.6. (英語以外の言語で)重訳の影響
12.7. 直訳による不自然な表現(「と/か」など)
12.8. 修飾語句の範囲が曖昧にならないようにする
